怖すぎて  [矢野沙織]

夏もいよいよ本番となりました。

夏といえばホラー。
こと日本の夏には昔から他国には真似出来ないような文化とも言える水準の「怖がらせ」が多々あります。
どれも昔からセンスがよく非常に怖い。
気軽な口コミ系のタイプの話しで、例えそれが創作だったとしても、未だ日本の若者が夏をおかずにするのに非常に後味の悪い傑作が沢山あります。

私は比較的「怖がりたい屋」だったので、近年まで果敢に怖がる要素を見たり聞いたり読んだり、はたまた想像したりして楽しんでいました。
それが最近ではすっかり牙も抜け、レベル2程度の普通だしよくある怖さの話しに、うっかりイラっとするほどに怖くなる事が増えたなあ、と思っていました。
で昨年に来て初めて、「このCMは怖すぎる!」と、夜中までダラダラとテレビをつけていることを悔やみはじめる程のただの怖がりとなりました。

今年になってようやく
「怖すぎるCM禁止!」となったニュースを聞いて少し笑ったと同時にやっぱりみんな怖かったんだなぁ…センスがいいもんなぁ…と思いました。

そんな中でも、未だに私をたまに悩ませる傑作『不安の種』

題名通りの内容の、主に短編集漫画です。

私がこの作品に出会ったのは、忘れもしない二十歳で一人暮らしをし始めてウッキウキな頃。
当時の私は、その大体の
「振り返ったりドアを開けてみて、あったら・見えたら・居たら嫌なもの」の主を挙げる事にかなり強気でしたが、不安の種はその全ての発想の遥か彼方をゆく大変素晴らしいものでした。

そのあまりの素晴らしい怖さに何度も読み、怖さの視点が頭から離れなくなり部屋に置くのも怖いから捨てる。本当に捨てる。
でもなんだかまた気になって買ってしまい、怖すぎてまた捨て。を繰り返した傑作です。

ちなみに、今はもう本当にちょっと思い出す材料になる程度も読みたくないと思う唯一の漫画。

特に、一人暮らしをし始めたばかりのウッキウキな者共の初めての夏にオススメです。

ではでは。

矢野沙織


矢野沙織 Bubble Bubble Bebop
2015 Live Tour

8/10(月) 横浜 モーションブルー横浜
8/21(金) 名古屋 ブルーノート名古屋
8/27(木) 大阪 ビルボード大阪
Bubble Bubble Bebop 2015 Live Tour 告知ムービー
2015年07月22日20:44 | Comment(0)

My first Esmeralda  [矢野沙織]

私の初めてのエメラルド。

先日、要所要所でご縁のある方から半世紀以上前に作られた小さなエメラルドのイヤリングを譲りうけました。

小さな小さな、小指の先ほどのエメラルドの周りにもっと小さなダイヤモンドが付いた可愛いイヤリングで、見れば見る程に愛しく思います。

大変昔に作られたものなので当時の石がはめてあり、人工的に色を整えられたものではないので、よーく見ると左右でグリーンの光り方が違うのもまた嬉しい。

「50年以上眠っていたものだから。」
と、時の流れ相応の何かを磨き取ってもらうと、小さな顔が存在感のある大きな大きな笑顔を見せ、天然石らしいプライドをそこに見たような気がしました。

また私も50年後に誰かに譲ることができますよう、と願いました。

矢野沙織

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矢野沙織 Bubble Bubble Bebop
2015 Live Tour

8/10(月) 横浜 モーションブルー横浜
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2015年07月07日21:08 | Comment(0)

イパネマの娘  [矢野沙織]

いつか、もう本当にいつかの日。

私がまだ二十歳に近い年齢だった頃、ドライブ中に予定にはなかったビーチへ立ち寄ってみた時。
せめて足元だけ海に入りたくなり、近くの簡単な海遊具売り場で何の気なしに買った青いビーチサンダルがある。

しばらく気付かなかったのですが、ある時ふと足元を見ると「IPANEMA」の文字。

イパネマ

「イパネマの娘」と言う曲を連想したのは言うまでもないかも知れません。
この曲には、ある思い出があるお話をしようと思います。

私に会った事がある方ならば、私がいつの年齢の時も普通より背の高い女である事を知っているはずです。
何しろ産まれた時から大きかったのですから、子供の頃からノッポで目立ってきたものでした。

特に小学生の時などは背の高いのがとても嫌でした。
それが人前に出て演奏する様になる中学生になっても、また時に背が高いことを褒められたりもする頃の高校生になってもとても嫌だったもので、ハイヒールなんていう靴はあまり視界に入ってすらいない代物でした。

そんな日々を長いこと過ごしていたある日、確か17〜8歳頃の夏のある日。
不意に家で「Garota de IPANEMA」が流れ、ポルトガル語などちっとも分からない父が、ものぐさな態度はそのままに、
「そういや、この歌詞の”イパネマの娘”って人には実在のモデルがいて、当時お前と同じ位の歳のすごい背の高い女の子だ、って話聞いたことあるなあ。」
と呟きました。
父にしてはなかなかのマメ知識に、その頃から背の高いのをあまり気にしなくなった気がします。
もちろん「イパネマの娘」の曲の美しさも手伝って。

それから10年程度の時が経ちましたが、大好きながらも、最近までどう言うわけかジョビン作品に自分がトライする気持ちになりませんでした。
特に熱心に言っていたわけでもないのですが、たまに父らしくテキトーに「イパネマの娘やれよ〜。聞きたいなあ。」と言われても、なんとなく選曲しないままに、そんな父も他界してもう久しくなりました。

8月10日からの「Bubble Bubble Bebop」ツアーでは、当新譜には収録していないのですが、
どうしてか長い事トライ出来なかった。でも特に気にも留めなかった自分だけのエピソードを持ってあの素敵な「イパネマの娘」を皆様と会場で共有したいと思います。

その他にもたくさん仕掛けのあるBossa Novaや、新譜収録曲をお届けしたいと思います。

いよいよ7月に入り、今年も夏が来ます。
今年も楽しみましょう。

矢野沙織

矢野沙織 Bubble Bubble Bebop
2015 Live Tour

8/10(月) 横浜 モーションブルー横浜
8/21(金) 名古屋 ブルーノート名古屋
8/27(木) 大阪 ビルボード大阪
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2015年07月05日20:53 | Comment(0)

碧雲荘  [矢野沙織]

このほど、まあよく気分の変わる空にやれ首が痛い頭が痛い足が鈍る、と世の中を憂いたり絶望を好んだり、つまり杞憂&杞憂を楽しんでいたのですが、「こんな時こそ太宰治だろう」と思い立って、数年前?から管理不能説のような話がよく話題になっていた「碧雲荘」に行ってみました。

「碧雲荘」は当時は薬局で売っていたという類の薬による中毒でひっくり返った太宰治が療養から明けて最初の結婚をした時に一時住んだ場所として有名。
行く前は、当然この場所に所有者がいて私のようなにわか太宰ファンの来訪に困っているかも…とも思いましたが、まあ通行人の素振りでちらりと見るのは悪くはないかなと思い電車に。
荻窪駅の北口を出て、税務署を目指すといい、とどこかに書いてあったので、住宅街を抜ける道すがらそれらしい方々、例えば郵便屋さんや、ずっとこの辺りに住んでいるような風のお婆様に税務署を訪ねてゆきました。
お婆様に至っては税務署の先の碧雲荘へ行きたいのだと伝えると「あら、太宰さんはねえ。亡くなったのよ。もう住んでないわよ。」とおっしゃっていて、口ぶりからその頃がリアルタイムな様な新鮮さがあったのでその途端、随分若く見える方だなあと見当違いなことを考えました。

しばらく行くとどん突きに神社。
なんとなく参拝してから出口の門に目をやると
「急いでるときも、神社があるとなんか参ってみちゃうもんだよね」的なことがもっとちゃんとした言葉で、尚且つなぜだか七五調で書かれていてフフっとなりました。私も参ったしなあ、と。

そのほど、税務署を見つけ、隣のもう誰も住まわなくなった団地のような建物の敷地を過ぎて脇に入るとすぐにありました。碧雲荘。

閑静な住宅街に、古い古いと言いながらもきちんと出来る限りであろう手の入った建物。少し敷居の高さを感じる。
すると玄関部分に、
田中豊作建築の碧雲荘は80年ここに建っていて田中家は今も近所に住んでいる。ここは太宰治さんに部屋を貸したこともある、と言う内容の他に、移築希望者が連絡する為の電話番号も書かれたダンボール板が置かれていました。
私の中の現代の碧雲荘のイメージである、
すっかり観光地化して、なんなら太宰治に感化された多感な若者が破天荒部分のみ文豪の真似事などして多量に酒などを飲んであらぬ事寄りのノスタルジーに浸りつつ鬼のような頻度で変な詩的なツイッターなどしたりして明くる日に頭を抱える者共を横目に田中さんちは箒片手に甚だ迷惑している、の図が無くなりました。

とにかく田中さんがお書きになったと思われる手書きのお知らせには、今はどなたも住まわれていない事が前提としてあり、また、私が碧雲荘の移設に対して力になれるかは別として、現代の太宰ファンにもウエルカムさを感じたので、ひとつ敷地内にお邪魔して辺りを見回して写真を撮らせて頂きました。

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いつかブログでも書いた通り(※『太宰治展』)私は小さな頃から新潮社から出ているいくつもの太宰作品を風呂の中でまで読んで、なんの藻屑とも分からなくなる頃に買い換える、と言うあまり品のない読み方で愛していたので、それゆえによっぽどのメジャー級でないと「このフレーズはこの作品のアレね。」と一発で分からないのです。
言ってしまえば、なんならあらすじにもさほど興味がなく、とにかくあの「僕は超素敵で物凄いかわいそうなんです」の、杞憂&絶望&杞憂。そして希望が見えたその瞬間にわざわざ暗部を探し出して諸行無常に伏せって泣きわめくフレーズの嵐を断片的に楽しむタイプの読者です。
だからおみくじ的に本をえいやと開いて、内容なんか関係なく彼の発する言葉に「ほほ〜…、また小さな草葉の陰にも絶望を感じているよ…」と感心を繰り返すのです。
どんなに可愛いらしげな安定しているような作品にも刹那を感じるのは私の性格なのか、まんまと太宰の手法にハマっている口なのか。
と、まあもっともらしい、つまりは好きだけどそんなに詳しいわけではい、という言い訳なのですが、今日のところは抜粋元を探す気分ではないので、思ったことだけを書きたいと思いました。

確か、あのどんなに暗い奴も思わず黙る「人間失格。生まれて御免。」の叩き台になった筋を書いたのは碧雲荘に住んでいた時期と一致するはず。
思い出して頂きたいのは、太宰治がここへ住んだのは、ものの一年弱でしかも新婚。
また、もしかしたらそれはフイクション作品かも知れないけれど、タバコ屋の超若い娘さんに超上から目線でメロメロになる話があったのでなんとなくその娘と結婚したような気が。
突っ込みどころ満載のなか、また何かの作品で、それまでは寝取られ上等だったのに、事後にしれっと空豆を剥いて主人である太宰に差し出した婦人に絶望した後だったかに、あの有名な
「アパートの便所の、金網の貼られた四角い窓から見えた富士山を忘れない」
という富嶽百景の恨み節は確かに碧雲荘の窓からのインスピレーションに違いないはず。
東南二階の〜、と書かれていた気もするのでそこも外から見て来た。

また、戦後に小さな幸せを手に入れたのに「薄氷を踏むような毎日」との描写も痺れる大好きなフレーズ。

当時の人気作家と言うのは、60年代のアメリカのロックスターの如しだったのでは、と私は思う。
人気作家の送り出すインテリで、しかも過激な文章はさながらリリックで、それに対して世間はああでもないこうでもない、と批評するのが流行りで。
向こう80年間と言う激動の時代に、今も変わらず荻窪に佇む碧雲荘は太宰治を含む何人もの若者を許してきたのだろうな、と思いました。

ちなみに、碧雲荘の樋面の土地は今は綺麗な更地になっていて、そこへ立っていた不動産屋さんがチラシを配っていて、周囲をウロウロしていた私にも家を建てませんか?とかなり熱い誘いを受けました。
そこに私が今時荻窪から富士山をも臨める東南向きのそびえる様な立派な家を建てても、なんなら今から田中家に連絡して碧雲荘を買い上げることが出来たとしても、もう二度と決して良いことばかりではなかったあの時代は戻ることはなく、
改めていつの時代も、その時をいずれもの方法でなんらかの形をもって残す作業というのは尊いことなのだな、と思いました。
例えばそれが、太宰治の様に生けることでさえも苦しくて堪らなかった人のどうしようもなく悲しくなる作業だとしても。

そして、行きの難しい道ではなく、少し大きな一本道を駅に向けて帰る途中で雨が降り出しました。
私にしてはかなり珍しく、家から傘を持って出掛けてきたことを大変に嬉しく思い、得意に傘をさして駅への道をも楽しみました。

矢野沙織
2015年06月19日21:23 | Comment(0)

秋の終わりと太宰治  [矢野沙織]

明日から立冬だというけれども、やっぱりまだまだ身体は秋を捨てきれないままですよね。

春でもない夏でもない、
秋でもない冬でもない。
そういう曖昧な季節にどうもよぎるのは太宰作品。


『女生徒』などの女性目線の作品で見せる、女でも子供でもない季節の女性性のいやらしいまでの愛らしさや、太宰自身が貴族であることへの嫌悪と誇大妄想。それに相反する執着とこだわり。

例えば「葉蔵」として自らを登場させた代表作である人間失格。
太宰が見たであろう鏡が綺麗すぎたり悲劇すぎたりして、主人公葉蔵に歪みを見せながらも「道化」になりきれなかった自意識の高さをうかがい知れる。

黙って、それが当然だと、ある部分では誰しも道化を演じて、生涯出来るだけ穏やかにしてみせるのが人間の大多数殆どだろうに、太宰は「自分は道化を演じている」と作品中で素晴らしい具合に泣きわめく。

戦争が悲しくて、汚ないのが悲しくて、人が死んでしまうのが悲しくて、いつもいつも逃げていた太宰。
終戦後は作家として無頼派を宣言し『斜陽』『ヴィヨンの妻』などなど、あんまりにも素晴らしい泣き言を残している。

私の周りで夜な夜なに何か文学の話など気取ってみる時に、親しい人が「太宰は女々しくてやだわ。」と言うのも分かる。

お道化になって人を安心させるどころか、かなりたくさんの近親者を心配させ続けながら連発したであろういつもキレキレの「僕は素敵で可哀想なんです。」ベースのフレーズの嵐。

他に私が好きな俳優、演奏家同様、好きな作家である太宰治の背景はそこまで詳しくはないですが、『桜桃』などの書き上げ切った晩年の作品は、もう年寄りの様な達観と、「まだ言ってんの?」と言いたくなる様な繊細すぎる描写が目立ちます。
当時まだ彼は30代後半だったんですね。

何度かの心中未遂でうっかり亡くなったりして。

男の逃げ腰を、憤りを覚えるほどに素晴らしく書き上げた太宰作品の文庫本は、いつか私が女生徒だった頃、いやもしかしら女子児童だった頃から通学や入浴中にいつでも開き、なんの藻屑とも分からなくなるまで読んでは買い、を繰り返したので、手元にある綺麗なのは今年の5月に買った記念本だけでした。

太宰の皮肉通り、私は男より快楽を余計に頬張るとします。

秋でも冬でもない掛替えのない今時分、
子どもでも大人でもない年齢の帰る事の出来ない感性、
どうぞ大切にしながら風邪など足元にお気を付けてお過ごし下さい。

矢野沙織

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矢野沙織 ライブスケジュール

11/13(木) 大阪 BillBoard LIVE OSAKA
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11/14(金) 名古屋 Blue Note Nagoya
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12/4(木) 大阪 ミスターケリーズ
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12/23(火・祝) 銀座 SWING
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12/28(日)西新井カフェクレール
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2014年11月06日19:49 | Comment(1)

寄生獣  [矢野沙織]

何年か前、二十歳くらいの頃に知人に借りて読んだ「寄生獣」

当時は、所謂ドはまりしてしまい、物語を読み終え、継いで何度となく読み返し、いよいよ物語が終わった…と認識せざるを得なくなると、よく幼少期に夢中になった映画や絵本を読み終えたら襲ってくる「置いてかれちゃった感」が大人になってから出たものだから、なんだかショックも大きく、また、感想なんかも人との捉え方の違いを楽しむ事ができなかったので、再読することを何年か敬遠していたのです。

で、先日うっかり「あ〜、ダメなのに〜」なんて思いながらも一気読みしてみました。

するとどうでしょう。
当時は処理し切れなかった感動が、ちゃんと入ってくるくる。

視点、構図、もちろん台詞、キャラクター。言わずもがな素晴らしい。
そして、設定も実はごちゃついていなくて素晴らしい。
でも言いたいことはただ一つだけ、と言う作者の優しいメッセージが込められているような気がしました。

設定、キャラクター。
これは一見とても大切。
というのは、例えば当時の一般的な若者であった私にも、「流行りもの」という時間を越えた古ぼけた借り物のコミックスに、1〜5ページ以内で圧倒的な興味を持たせるため。なんなら最後まで読ませるために。
そして、一章の中ですでに「起」は完結していること。
これは、一見ホラーやSF映画ならば15〜20分以内にないと嫌だ。私は、ですが。

あと、素晴らしいのは言いたい事が悲劇に負けないようにすること。
血の気の多いシーンは実は最小に、でも印象にだけ残る技をきかせて。

「精神」「カルト」「霊感」と言うような安易で恐ろしげな単語をまず使わないで本質を訴えかけること。

それからキャラクターを象徴するような「目」や口、その他万物それぞれに備わった機能は、なにも怖いものではなく、とても便利だということ。ただ、怖いと思うだけで簡単に強烈な恐怖に変わるということ。

「色んな人がいるけれど、楽しまなくちゃね、切り替えなきゃね。」
「ごはんは食べなきゃね。」
「よく休んでね。」

こう言う事は、何度となく言われた優しい言葉だけれど、なかなか乗りこなせない事なんだな、とやはりまた少しぽつねん。

器はなるべく大切にしよう、と思う。
次は何年後に読むのでしょうか。

矢野沙織

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※寄生獣より転載

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9/27(土) 那覇 Parker'sMood Jazz Club
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2014年09月12日22:13 | Comment(0)

時間の経つままに。  [矢野沙織]

このところ、どうしてか珊瑚のジュエリーが改めて欲しくて色々と見てみたり、調べてみたりしていました。

すると、珊瑚というのは、何百年という悠久の時間をかけて深い海の底で海流に任せながら手を伸ばし成長し、その珊瑚が生きる場所が、私たちの歩く陸からの遠さや光の具合なんかで色が変わり、様々な生物と共存しながらその強くしなやかな姿になってゆく、というような事が分かりました。
そうして育ってきた珊瑚の色味や白く見えるフの入り方や、最終的には好み含めたなんやかんやで人間が価値を決め、職人が彫刻したり磨いたりと素敵な感じにして、さらにそれが金銀様々な土台に飾られてジュエリーとなるようでした。

なんだか面白いものだな、と思いました。
まず、時間という横軸。
その圧倒的に流れる時間の横軸に、万物それぞれ感覚の違う縦軸として常に刻まれてゆく瞬間。今、という概念。

だから、私の中の横軸に、ある日たまたま「真っ赤な珊瑚を見た。欲しい。」という縦軸が入ったのかあ、、とボーっと。


私の師匠はJames Moodyさんという方で、私がまだ18,9歳の頃に出会い、トンチンカンな私に随分熱心に色々教えて下さいました。
二十歳を過ぎた頃に、お宅に招かれしばらくレッスンをして頂いたときに確か、
「サオリ、楽譜とは地図だ。
君は地図が嫌いで読みたがらないから、見ないでまだ知らないところへ急に行こうとするね。だから、途中で迷ったり、でも素敵なお店を見つけたり、たまに変な犬に吠えられたりするよね。それはそれで羨ましいし楽しいこと。」
と、して訓練している楽譜に目印としていくつもの、メガネや虫眼鏡のマークを書いて「これが道しるべだ。」として笑いました。
「知らない所へ行った時も、たまには迷わず帰って来られるように。」と。

また、ムーディーが私に言ったことのうちに
「時計もまた、自分が今どこにいるのか確認するためのもの。」として、私に腕時計をくれました。
「まあ、まだそこまで気にしなくてもいいものだけど、一応あげよう。」と。

案の定、私には腕時計を着ける癖が未だにありませんが、珊瑚を見たときにムーディー先生の言わんとするところが分かった気がしました。

圧倒的な横軸として流れ続ける時間の中で、今自分がどの辺りに居るのか。
それを人間の方法で確認するのが時計。
いつでもどこでも、気軽に便利にそれを確認できる道具が腕時計。


「世の中には、困ったことや不穏な事もあるけれど、怖く汚いものなどサオリは見なくていいんだ。」
と、顔を強張らせて厳しく言いました。
当時は、過保護だなあ大袈裟だなあ、とも思ったものですが、いつも新しいものが大好きで、人間の限られた時間を知っていたムーディー先生だから言った優しい言葉だったのだな、と思いました。

今年も終戦記念日の夜が来ました。

時代は、世の中は変わってゆくものの様です。

いつまでも、いつまでも、優しく穏やかな日々が流れますことを。

矢野沙織

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矢野沙織 ライブスケジュール
るんるんSaori Yano In The West Summer 2014るんるん

8/26(Tue) 福岡 NEW COMBO
http://www.f2.dion.ne.jp/~combo/

8/28(Thu) 広島 LIVE JUKE 19
http://www.live-19-juke.com/

8/29(Fri) 松山 MONK
http://www.monk-matsuyama.com/

-------------------------
9/27(Sat) 那覇 Parker'sMood Jazz Club
http://parkersmood.com/
2014年08月15日22:16 | Comment(1)

風にそよぐ草  [矢野沙織]

昨日久しぶりに映画を。
「風にそよぐ草」というやつ。

些細なれ、人は一つ一つそれなりの理由をもって全ての行動をしているわけなのだけども、それゆえトンデモすれ違いをする歳の離れた男女の話で、どこを切ってもあくまで悲劇にならない憂い寄りの優しさのあった映画でした。

人の気持ちと色とは、無意識に日々敏感に関係しているものなんだなぁ。。とか改めて思ってみたりしたけれども、
一番印象的だったのは、主人公の老紳士がひょんなことから若かった時に観た昔の戦争映画を観て、夜の映画館から出てきたときの

「映画を観たあとでは何も驚かない。
全てのことが起こり得るからだ。」

という心中のセリフだった。


なんだかちょっとソワソワしたり、変化を望んだりするけれど、基本的には穏やかな気持ちのときなんかに。皆さんもよければ観てみて下さいね。

矢野沙織

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風にそよぐ草
出典 wikipedia


るんるん矢野沙織ライブスケジュールるんるん

7/24(THU) 名古屋 スターアイズ
http://www.stareyes.co.jp/
INFO  名古屋STAR★EYES :052-763-2636

7/25(Fry) 静岡 GARDEN CAFE LIFE TIME
http://www.fugetsuro.co.jp/lifetime/
INFO  ライフタイム : 054-250-0131

7/27(Sun) 東京 銀座SWING
http://ginzaswing.jp/
INFO  銀座Swing :03-3563-3757

7/31(Thu) 大阪 ミスターケリーズ
http://www.misterkellys.co.jp/
INFO  ミスターケリーズ : 06-6342-5821

8/26(Tue) 博多 NEW COMBO
http://www.f2.dion.ne.jp/~combo/
〜矢野沙織 In The West Summer 2014 Hakata〜
INFO NEW COMBO:092-712-7809

8/28(Thu) 広島 LIVE JUKE 19
http://www.live-19-juke.com/
〜矢野沙織 In The West Summer 2014 ヒロシマ〜
INFO Live Juke:082-249-1930

8/29(Fri) 松山 MONK
http://www.monk-matsuyama.com/
〜矢野沙織 In The West Summer 2014 マツヤマ〜
INFO 松山MONK:089-945-9512

詳細は、矢野沙織 オフィシャルホームページより
http://www.yanosaori.com/

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2014年07月08日16:14 | Comment(0)

ルー・ドナルドソン  [矢野沙織]

先日、大変に尊敬しております、ルー・ドナルドソンさんの日本公演を聴きにゆきました。

いつもの調子で、ステージに上がり、ペコリとひとつ挨拶をするとBlues Walkの始まり。紛れもないルー・ドナルドソンの音で。

それからwhisky womanやアリゲーターブーガルーなどのヒット曲を惜しみなく披露してくれました。

御年87歳だそうです。

リードは多少柔らかめの設定にされているかな、とは思う場面もありましたが、そんなことは実にどうでもいい。
自身の体や体重、空気や気分までの何もかもを、そのまま脱力の形で楽器に吹き込んだ時に、どうにもこうにもルー・ドナルドソンの声が鳴る、というのは、アルトサックス奏者には勿論、全ての演奏家の理想なのではないでしょうか。

矢野沙織

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矢野沙織 Live Schedule 2014
6.06 目黒Blues Alley Japan
6.08 西新井カフェクレール
6.11 / 12 名古屋STAR★EYES 2Days
6.14 京都 清水寺 圓通殿
6.14 京都 RAG
6.16 大阪 ミスターケリーズ
7.05 沖縄 PINO'S PLACE 30th ANNIVERSARY PARTY *矢野沙織 GUEST
7.25 静岡 LIFE TIME
7.27 銀座 Swing
8.26 博多 NEW COMBO
8.28 広島 LIVE JUKE 19
8.29 松山 MONK

詳細は、オフィシャルHPのライブスケジュールより
2014年05月31日13:46 | Comment(1)

LATIN JAZZ NIGHT  [矢野沙織]

少しずつ暖かくなってきましたね。
卒業シーズンの3月26日は目黒ブルースアレイでのラテンナイトです。
ラテンとジャズは隣近所の仲良し。もう10年前、私がデビューしたばかりのころにAlex Cuba Bandからのオファーでツアーをして意気投合し、オリジナル曲「砂とスカート」の歌唱バージョンの録音をした時の喜びが蘇ります。
私の敬愛するチャーリーパーカーもラテンミュージックに恋したジャズマンの一人。
今回はラテンリズムの達人たちをお呼びして、ビバップナンバーやジャズスタンダード、オリジナル曲などに魔法をかけるステージにしようと思います。
ブルースアレイさんでのラテンナイトは二度目の試みで、ますますボリュームアップした楽しい時間をお届け致します。
春だし、春だし、ラテンだし。どうぞ浮かれてしまってくださいませ。

矢野沙織

3/26(水) 目黒ブルースアレイ
矢野沙織 クインテット LATIN JAZZ NIGHT
MEMBER
(A.sax)矢野沙織 (Pf)中島徹 (B)高橋ゲタ夫 (Per)宮本仁 (Ds)小松伸之
Open 18:00
1st 19:30〜20:30 2st 21:15〜22:30 入れ替え無し
Blues Alley Japan 予約受付センター:03-5740-6041
受付時間 12:00〜20:00(月〜土)

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2014年03月22日17:26 | Comment(0)